経済最優先の世の中、売り手はとにかくたくさん売って儲かること、買い手は、安くて便利な物を求めます。それを追究する結果、その代償も払わなければならなくなっています。
私たちの体に入る食品も例外ではありません。最近では食品の添加物の危険を危惧する人も増えています。癌など現代の医学では根治しづらい病気も増える一方です。
その原因の一つに『食品添加物』をあげる専門家も少なくありません。
『食品添加物』は今では完全に避けることは不可能に近いかもしれません。
だからと言って、何も対処しないというのはどうでしょう? 少しでも知識を持って、可能な範囲で気を付けることも、ひとつのやり方ではないでしょうか。
日本で認められている4つの食品添加物
食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料など食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
日本で現在使用が認められている食品添加物には次の4つがあります。
※平成28年10月6日現在
- 指定添加物
- 既存添加物
- 一般食品添加物
- 天然香料
指定添加物:454品目
厚生労働大臣が「使用してもいいよ」と定めたもので、ほとんどが合成添加物です。
既存添加物:365品目
平成7年に食品衛生法が改正され、添加物の指定範囲が合成添加物のみから天然物を含むすべての添加物に拡大されました。
法改正時、既に我が国において広く使用されていて、長く食べられてきた経験があるものについては、例外的に法改正以降も使用が認められることとなりました。
一般飲食物添加物:約100品目
これは、一般に食品として利用されているものを添加物の目的で使用するというものです。
天然香料:約600品目
自然界の植物や昆虫などから抽出された香り成分です。
食品表示の見方
添加物は原則としてすべて物質名を表示することになっています。
例…『ビタミンE』『β-カロチン』『ソルビン酸』などが物質名です。
用途名の併記が義務づけられているもの
添加物の中には、物質名以外に用途名の併記を義務付けられているものがあります。
次の用途に使われるものです。
- 酸化防止剤…酸化を抑制するために添加される物質
- 着色料…食品に着色する
- 保存料…食品中の細菌の増殖を抑制し、変質、腐敗を防ぐ
- 防カビ剤…カビの発生防ぐ
- 甘味料…食品に甘味をつける
- 発色剤…肉などの色を鮮やかに見せる
- 漂白剤…漂白する
- 糊料(こりょう/増粘剤、ゲル化剤、安定剤)…食品に滑らかさと粘り気を与える
着色料については、添加物名に『色』の文字がある場合、用途名を併記しなくてもよいことになっています。使用目的がわかるからです。
一括名表示が認められているもの
次の用途に使われる添加物は、物質名ではなく、一括名(用途名)を表示するだけでよいことになっています。一括名表示が認められているものは次の添加物です。
- 香料…食品に香りをつける
- 酸味料…酸味をつける
- 乳化剤…油と水を混じりやすくする
- PH調整剤…食品の酸性又はアルカリ性の度合いを調整し、保存性を高める
- 調味料…食品に味付けをする
- 膨張剤…食品を膨らませる
- イーストフード…パンをふっくらさせる
- ガムベース…ガムの基(チューインガムを噛んだ後に残るもの)
- チューインガム軟化剤…ガムを軟らかくする
- 豆腐用凝固剤…豆腐を固める
- かんすい…中華めんの風味、感触、色あいを出す
- 苦味料…食品に苦味を加える
- 光沢剤…つやを出す
- 酵素…タンパク質からでき、成分の分解などさまざまな働き
代表的な食品添加物
食品添加物として代表的なものは、次の3つです。
- グリシン
- トレハロース
- ソルビン酸
グリシン
用途…合成添加物
よく使われる食品…和菓子/粉末スープ/水産練り製品/漬物/コンビニおにぎり/お弁当/ピーナッツクリームなど
特徴…たんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、生体内ではセリンより生成され、生体内の重要な物質(ポルフィリン・プリン・クレアチン・グルタチオン)の原料となっている。
安全性については、適切に摂取すれば安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中については十分なデータがないため使用を避ける。
※鳥に1日4g以上を口から与えた実験では、中毒症状を起こし、死亡する例や、モルモットでも呼吸筋の麻痺を起して死亡したそうです。
※合成添加物とは添加物のうち、化学的手法により、分解反応以外の化学反応で得られた物質のこと。
トレハロース
用途…天然添加物
使用される食品…和菓子/プリンなど
特徴…2分子のD-グルコースが結合した非還元性の二糖であり、きのこをはじめ種々の菌・酵母などに存在する。デンプンの劣化防止や、冷凍時のタンパク質の変性防止などの目的で食品に利用されている。
甘味はショ糖の50%であるが、体内では消化吸収ネルギー(4kcal/g)となる。一般に食品添加物(製造用剤、低甘味料)として使用が認められている。
俗に、「虫歯を防ぐ」などと言われているが、ヒトの有効性・安全性については信頼できるデータは見当たらない。
※天然添加物とは添加物のうち、合成添加物以外のもの
ソルビン酸
用途…保存料
使用される食品…イカの燻製/ソーセージ/かまぼこ/ちくわ/はんぺん/漬け物/ワイン/ハム
特徴…マウスによる実験で肝臓と腎臓と精巣が小さくなりました。また、ソルビン酸を落花生油または水に溶かしてラットに皮下注射した実験により、発がん性が疑われています。
食品添加物の毒性チェックはほとんどが単体でのもの。複合摂取により危険な場合があります。
『亜硝酸塩』と同時に摂取すると、化学反応を起こし、強力な発がん性物質が生成する可能性があるそうです。この組み合わせとしてハム、ソーセージがあります。
まずは調味料から見直しましょう
お手軽で安いものだけを求めれば、加工食品にはほとんど添加物が入っています。
今の添加物だらけの生活から離脱するには、まず調味料を考えることではないでしょうか? 醤油、味噌、だし、塩、砂糖、お酢・・・など。
例えば、醤油ですが天然の材料(大豆、塩、水)昔ながらのやり方できちっと発酵させて作られたものと、大量生産により醤油風に作られたものでは値段も違います。100円ショップで売られているようなものから比べれば、本物は10倍も20倍もしますよね。
醤油は日本の醗酵文化より生まれた醗酵食品です。最近、ようやく醗酵食品が注目されるようになりました。
醗酵食品の良さは微生物の働きにより、アミノ酸が生成されておいしくなり、低分子化により大事な栄養素が体内に吸収される。何よりも食べた人の腸内環境を改善します。
通常醗酵期間には年単位の時間が必要です。ところが大量生産の醤油はどうかというと、そんなことをしていたらコストが跳ね上がってしまうんです。
ということは、売値が上がります。値段が高くなれば売れる数が激減し、商売が成り立ちません。
ある醤油は「醗酵期間が1週間」とされています。醗酵食品ではないのです。
その結果、何が起きるかと言うと、いろいろな添加物を使って本物の醤油に見せかけを近づけます。
その場合、主に次のような添加物が使われています。
- グルタミン酸ナトリウム
- グリシン
- ステビア
- カラメル
- サッカリンナトリウム
- 安息香酸
グルタミン酸ナトリウム
化学調味料。グルタミン酸を人工的に生成し、ナトリウムと結合させたもの。
調味料(アミノ酸)と書かれている。脳神経への影響が疑われている。
グリシン
合成添加物。上記を参照してください。
ステビア
甘味料。不妊・避妊作用があるとの指摘がある。
カラメル
着色料。カラメルⅠからカラメルⅣまであるがカラメル色素としか表示されないため、どれか区別できない。カラメルⅢとカラメルⅣはアメリカの動物実験では発癌性が確認されている。
サッカリンナトリウム
甘味料。アメリカで発がん性を疑われている。
安息香酸(あんそくこうさん)
保存料。ビタミンCと反応すると、ベンゼンに変化する。
ベンゼンは白血病を起こすことが確認されている。2006年にイギリスで清涼飲料水に添加された安息香酸とビタミンCが反応して、ベンゼンができていることがわかり、製品が自主回収されるという騒ぎがあった。
調味料は食事の中で大切なものです。価格が高くても量的にはそれほど使うものではありません。
安全を考えたら、価格分の価値はずっと本物の調味料が勝っているのではないでしょうか。