ポリフェノールってご存知ですか?
ポリフェノールというと、赤ワインというイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
ポリフェノールは多くの植物に含まれていて、私達日本人にとって、なじみの深い緑茶などにも含まれています。
病気の原因の大半を占める活性酸素…。ポリフェノールはその活性酸素を取り除く強いチカラを持っています。
健康に良いだけではなく、老化を遅らせるなど美容にとっても良いことがわかってきています。ポリフェノールのことを知って、老化を遅らせてみませんか。
ポリフェノールとは?
ポリフェノールは、代表的なフィトケミカルで、複数の水酸基(OH基)を持つ化合物。このOH基が活性酸素やフリーラジカルをとらえて、安定した害のない物質に変える力を持っています。
ポリフェノール(Polyphenol)⇒たくさん(ポリ)のフェノールという意味で、分子内に複数ノフェノール水酸基を持ちます。必須アミノ酸の一つであるフェニルアラニンから生合成されます。
フィトケミカルとは?
野菜や果物に含まれる化学成分で、その植物自身が紫外線や害虫から自分を守るためにつくりだしている色素、香り、苦味、灰汁などの成分のことです。
フィトはギリシャ語で植物の意味でファイトともいいます。
100種類ほどの成分が確認されているが、実際には1万種類以上あるとされ、研究が進められています。第6の栄養素である食物繊維に続く、第7の栄養素とよばれることもあるようです。
フレンチ・パラドックス
ポリフェノールは、1990年頃「フランス人は動物性脂肪を多くとるにもかかわらず、動脈硬化性の疾患が少ない。それは赤ワインでポリフェノールを摂っているから」という学説が発表されて脚光を浴びました。
ポリフェノールの種類とその作用(効果)
大きく分類すると、淡黄色や無色の色素であるフラボノイド系のものと、色素の強いカテキンやアントシアニンなどのノンフラボノイド系のものとに分かれます。
ノンフラボノイド
・アントシアニン
①目の機能を向上
②血圧上昇の抑制
③肝機能改善
などの効果があります。
目の網膜にあるロドプシンという物質は、光の情報を神経の電気信号に変えて脳に送ります。アントシアニンは、そのロドプシンを作るために必要な物質です。
また、目の疲れを取り、視力をアップさせる働きもあります。
・カテキン
①ガンの予防、発ガン物質の形成を防ぐ
②食中毒の予防、殺菌効果
O157の出すべろ毒素に対しても抗毒作用を持ちます。
③動脈硬化、高血圧の予防
コレステロールを減らして血圧を下げます。
④虫歯の予防
⑤風邪の予防
インフルエンザを不活性化します。
・カカオマスポリフェノール
①血圧低下
血管を広げる作用があります。
②動脈硬化予防
強い抗酸化力でコレステロールの酸化を防いでくれます。
③アレルギーの改善
アレルギーは活性酸素が原因と言われています。
④脳を活性化
認知機能を高めます。
・ルチン
①血管の収縮作用
②脳出血などの予防効果
毛細血管の透過抑制作用、毛細血管を強くする作用などによるものです。
③抗酸化作用
※以前は「ビタミンP」と呼ばれていたが、その後「ビタミンP」はいくつかの物質で構成されていることがわかり、ルチン単体ではビタミンPと呼ばれなくなりました。
フラボノイド
黄色やオレンジ色から無色のものまで、3000種類以上もあります。化学構造の違いで、「フラボン」「フラボノール」「フラバノン」「フラバノール」「イソフラボン」があります。
化学構造でOH基(水酸基)をつけたものは(○○オー)と呼ばれ、フラボン→フラボノール、フラバノン→フラバノールと呼ばれます。
・クルクミン
①肝機能を改善・回復させる働き
②解毒作用
③胆汁分泌促進
④抗酸化作用
⑤抗癌作用
⑥殺菌作用による胃炎の抑制作用
※天然の食用色素として用いられる黄色色素です。
・イソフラボン
①骨の代謝に深く関係し、骨量の保持や増加作用がある
②女性ホルモンが急激に減ることを緩和する
③血中アルコール値の低下
④中性脂肪値、血圧の正常化作用
⑤動脈硬化などの生活習慣病の予防及び改善
※体内で女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を持つ色素成分です。
「植物由来ノエストロゲン」とも呼ばれています。
・フェラル酸
①活性酸素種などのラジカルと反応し、DNAの損傷などの癌の原因に影響を与えます。
ポリフェノールぼ美容効果
フェラル酸による細胞の老化抑制
抗酸化作用を持ち、活性酸素などのラジカルと反応することにより、老化を防いでくれます。
カテキンによる口臭の予防及び老化防止
脂質の過酸化を防ぐことにより老化を防止してくれます。
カカオマスポリフェノールによる肌の老化の防止
活性酸素を抑制することにより、肌の老化を防止してくれます。
クルクミンによる老化の防止
ポリフェノールを多く含む食品
アントシアニン
・ブルーベリー
・プルーン
・アサイー
・小豆
・赤しそ
・ブドウ
・イチゴ
・ラズベリー
・ナス
・黒ゴマ など
カテキン
・大豆
・抹茶
・小豆
・ココア など
カカオマスポリフェノール
・チョコレート
・ココア など
ルチン
・トマト
・アスパラガス
・タマネギ
・ソバ
・タバコ
・柑橘類(特に薄皮部分) など
クルクミン
・ウコン(ターメリック)
フェラル酸
・米
・小麦
・大麦
・オレンジ
・パイナップル
・ピーナッツ 他
イソフラボン
・大豆
・きな粉
・納豆
・豆腐
・油揚げ
・味噌 など大豆製品に多く含まれる
最後に
サプリメントや薬剤において、肝臓障害の報告も出ています。
また、最近、ポリフェノールが多く含まれていて、美容や健康に良いということで、カカオ分が70%以上含まれている高カカオチョコレートがはやっています。
国民生活センターにおける高カカオチョコレートの調査によると、
・すぐに健康被害を及ぼす量ではないが、腎機能障害を起こす可能性があるカドミウムが検出
・高カカオチョコレートは、普通のものに比べて最大約4倍のニッケルを含む
・汚染として問題となる量ではないが、カビから産生される毒素であるアフラトキシンが検出
とあります。
最近では、「この成分が良い!」となると、その成分の量を競うようなところがあります。もともと、昔と比べてチョコレートのカカオ分が少なくなっていたのは、カカオが高価な材料だからです。
「なぜ、高カカオチョコレートがそんなに安いのだろう!」と不思議に思います。
身体に良い成分でも、大量に摂取すれば良いというものではありません。
ポリフェノールの多くは、水に溶けやすい形で含まれているため、吸収されやすく、摂取してから30分後には効果が出始めます。
しかし、即効性があっても反対に効果が長時間持続しません。2~3時間ほどでその効果は消えてしまいます。
逆に言うと、毎日必ず野菜を食べれば、つねにポリフェノールの効果を得られるということにもなります。
ポリフェノールの正しい知識を持って、美容や健康に役立ててください。