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無添加石けんは本当に無添加なのか?

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石けんは何からできているのか?どのように作られるのか?意外とと知っている人は少ないようです。 本来の石けんとは何なのか? を解りやすくお伝えして、健康的で経済的にも無駄のない石けん選びにお役立ていただければ幸いです。

石けんは大きく分けて2種類(石鹸と合成洗剤の違いを知る)

石けんにはいろいろな種類がありますが、重要な点で大きく分けると2種類です。無添加石けん
石けんというのは界面活性剤です。最近では界面活性剤というと悪いものであると思われますが、石けんも界面活性剤の一つです。ただし、石けんは天然の界面活性剤です。

石けん以外の界面活性剤を合成界面活性剤といいます。この合成界面活性剤が、環境や人体に悪影響を与えると言われていいます。

界面活性剤とは?

水の界面張力

例えば水と油は混ざりません。それは水と油の間に「界面張力」という力が働いているからです。そしてその「界面張力」を大幅に弱めるのが「界面活性剤」です。

石けんはその「界面活性剤」の代表的なものです。

石けんって?

石けんの起源(歴史)

1万年前、動物を焼いた時に滴り落ちた油脂と木の灰(アルカリ)が混ざって出来た土や泥のようなものです。この土で手を洗ったら汚れがよく落ちたため、人間が使い始めたとされています。

紀元前3000年ごろの粘土板には石けんの製造方法が記されているということです。

日本では?というと、安土・桃山時代にスペイン人かポルトガル人が持ちこんだと言われ、今日まで牛脂やパーム油、ひまわり油、米ぬか油など天然油脂を原料に作られています。

無添加石けんの特徴

天然油脂を原料とし、蛍光増白剤や酸化防止剤、着色料、香料等を全く使わない石けんです。

石けんの排水は、短期間のうちに水と二酸化炭素に生分解され、川や海に流されると、カルシウムイオンやマグネシウムイオンと結合して石けんカスができます。そして、これを魚や微生物が食べ再び自然に還るのですから人や環境に優しいのは当然です。

合成洗剤って?

合成洗剤の起源(歴史)

第一次世界大戦中にドイツが開発したと言われています。
兵服を洗う需要が増えたにもかかわらず、油脂不足で「石けん」が手に入らず「石けん」の代用品として石油のから作る「合成洗剤」が開発されたといいます。
戦後、日本にも伝わり、高度経済成長期に家庭用洗濯機の普及に合わせて一気に広がりました。

危険な合成洗剤

1999年に日本でPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の促進に関する法律)が施行されました。人の健康や生態系に有害な恐れのある化学物の排出と移動を管理、公表することでその削減をめざそうという法律です。

有害な恐れがありながら、環境中に広く存在すると認められる物質を「第一種指定化学物質」として、462種類の化学物質が指定されていますがこのうち10種類が合成界面活性剤なのです。

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩

洗濯物

多くの合成洗剤に使われ、分解性が悪く、細胞のタンパク質を変性させる作用があると言われています。

ポリオキシエチレンアルキルエーテル

多くの合成洗剤に使われ、水生生物への毒性が強いといわれています。

アルキル硫酸エステルナトリウム(化粧品で使われる場合はラウリル硫酸ナトリウム)

ハミガキに多く使われ、ハミガキで磨いた後、ミカンの味を苦く感じてしまうのは、ラウリル硫酸ナトリウムによって舌の味覚を司る細胞が壊されて、味覚障害を起こしてしまうということです。

アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(化粧品の場合はラウレス硫酸ナトリウム)

洗剤や化粧品に多く使われています。

経費毒

経皮毒(けいひどく)

「毒が体に入る」というと、まず口から入ると想像します。しかし、口からだけではありません。今、経費毒が問題視されています。

人の体は本来、毒や異物から身を守る機能が備わっています。口から入った毒は、嘔吐や下痢という形で排出し、目は涙、鼻はくしゃみ・鼻水で体内への侵入を防ぎます。

皮膚にも常在菌(じょうざいきん)が存在し、異物の侵入を阻止します。しかし、最近では合成洗剤などの化学物質や、行き過ぎた除菌により、常在菌が死滅し、異物が侵入しやすくなってしまいました。

最近ではボディーソープで体を洗う人も多いようです。ソープといったら石けんだから安心と思うかもしれませんがボディーソープの多くは合成洗剤です。ジワジワと体に侵入してしまいます。

経皮吸収のされやすさも体の部位で違います。例えば腕の内側の吸収のしやすさを1とした場合の他の部位の数値は次の通りです。

  • かかと  →  0.14倍
  • 手のひら →  0.83倍
  • 脇の下  →  3.60倍
  • 頭    →  3.50倍
  • ひたい  →  6.00倍
  • あご   →  13.00倍
  • 背中   →  17.00倍
  • 生殖器  →  42.00倍

こだわりの無添加石けん

石けんの製造方法には二通りあります。製造方法の違いにより美容に大きく関係します。無添加液体石鹸

  • ケン化法
  • 中和法

ケン化法

伝統的な釜炊き製法により、熟練した職人が、水を入れた大きな釜の中で天然油脂と苛性ソーダを混ぜて一週間熟成させて作ります。
ふつふつと湧き上がっている石けんの素をのぞき穴から小まめに見るだけでなく、音、匂い、味、手触りを確認しながら五感をフルに働かせて生きている石けんの微妙な変化を見極めます。

この作業は難しく、その日の気温や湿度、油脂の状態に応じて微調整しなければなりません。「釜炊き10年」と言われ、10年やって初めて一人前と認められるそうです。

肌に優しい(美容にとって重要な)天然の保湿成分グリセリンを含んだ石けんは、このように時間と愛情をかけることによって出来上がります。
また、舐めても安全な石けんが身体に悪いはずはありません。

中和法

粉石けん

天然油脂からグリセリンを除いた脂肪酸だけを取りだし、それに苛性ソーダを加えて反応させる方法です。この方法だと、職人技術も無しで、わずか4~5時間で石けんが出来上がってしまいます。コスト面では圧倒的に低コストです。

しかし、天然油脂に含まれるグリセリンを取り除いているため、保湿力がなくなってしまうのです。
後からグリセリンを添加する方法もありますが洗浄と保湿という相反する作用なのでうまく馴染みません。

石けんで顔を洗うと顔がつっぱると思っている方が多いのは、中和法により作られた石けんを過去に使ったイメージがあるからではないでしょうか?

石けん本来の役割を考えると自然に見えてくる大切なこと

良い香りのする石けんやシャンプー・・・リラックスという点からは大切かもしれません。
ふっくら仕上がったタオルや下着って気持ち良いですよね。

しかし、石けんの本来の役割は汚れを落とすことです。柔軟剤・香料・界面活性剤などの合成物質により健康を害したり、地球や他の生命を害するのであれば本末転倒ではないでしょうか?自然に戻る

いまや100%天然のものを使うことが難しい世の中です。せめてシャンプーや洗剤などにどのような合成物質が使われているのかを知ることです。

そして、その危険な可能性を知って、リスクの高そうなものは極力使わないということが大切ではないでしょうか。

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