アレルギー

アレルギーの原因とアトピー性皮膚炎を改善する方法とは?

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ここ数年、アレルギーを持つお子さんが増えています。
厚生労働省の発表によれば、アレルギー疾患の患者数(推計)は、平成20年(2008年)ごろから増加傾向にあり、それは子どもも例外ではありません。
そこで政府は、平成27年12月25日から「アレルギー疾患対策基本法」を施行し、アレルギー対策に臨んでいます。

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一方、同じく厚生労働省の調査では、アレルギー疾患に関連した死亡者数は、平成23年ごろから大幅に減少しています。
このデータから見てとれることは、たとえアレルギーを発症したとしても、命に関わる危険は回避できる可能性が高い、ということではないでしょうか。

とはいえ、まだアレルギーに対して正しい知識が普及しているとは言いがたい現状もあり、なかにはアレルギーに対する偏見も存在しています。
アレルギーについて正しい認識と理解が浸透すれば、きっと各家庭での対策の糸口も見つかるはずです。
そこで今回は、「アレルギーとは何か?」についてご説明します。

痒くて眠れないアトピー性皮膚炎

アトピーアレルギーの語源はギリシャ語で「疫を免れるはずの免疫反応が有害な反応に変わる」という意味のギリシャ語だと言われています。
身体に入ってきた害を取り除くための反応ということで、もともとアレルギーとは人の身体にとっては大切な反応なんですね。ところが、どういう訳か人の身体を攻撃して苦しめてしまうんです。

ひとくちにアレルギーといっても、様々な種類があります。例えば

  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 花粉症
  • アレルギー性結膜炎
  • 気管支ぜんそく
  • 蕁麻疹(じんましん) など・・・

このなかから、今回は代表的なアレルギーのひとつ、「アトピー性皮膚炎」についてお話します。

アトピー性皮膚炎とは、肌のあらゆる場所に湿疹が出て、痒くて痒くて眠ることすらできないという病気です。
病気になり、どこかが痛くなることはもちろん、痒いのも辛いですよね。特に、重度のアトピー性皮膚炎を発症している人たちは毎日、痒くて仕方ないそうです。

「痒い時は搔けばよい」というだけなら、何とかなるかもしれません。
しかし、何度も何度も掻いていると、掻き壊して出血してしまうんです。すると今度は痛い。それでもまた痒い。
本人からすれば、「何か自分は罰でも受けているのだろうか?」という心境ではないでしょうか。

小さなお子さんは、さらに大変です。
掻き壊すと、皮膚を修復するため、ケガが治る時のように体液が分泌されます。下着やパジャマがその体液にくっついてしまうため、着替えるのもつらい。
なかには体中、包帯ぐるぐる巻きの子どももいるほどです。
そのうえ極めつけが「掻いたら治らないよ!」と怒られ続けることです。親御さんも、辛そうに搔き壊しているお子さんを見ていられないのでしょう。
ある日、「重度のアトピー性皮膚炎のお子様を持つ母親の3人に1人が自殺を考えたことがある」という記事を見た時は愕然としました・・・。

アトピー性皮膚炎の4大原因

アトピー原因アトピー性皮膚炎は、それほど昔からある疾患ではないようです。
昔はなかったのに今は流行っている。ということは、現在と昔とでは、違ったところに原因があるのです。
その原因とは、主に次の4つです。

  • 食品添加物
  • 化学繊維を使った肌着
  • カビ
  • 除菌

食品添加物

加工食品現在は自宅で食事をするといっても、加工食品を使った料理が多くなっています。
お味噌汁のダシを鰹節でとったりすることはなく、化学調味料を使い、冷凍の加工食品をレンジでチンして食べます。
現在は、経済が最優先の世の中です。価格が安く、とにかくお手軽な商品が求められます。ただ、価格の安さとお手軽さを追求していくと、行き着くのは「できるだけ大量生産可能な化学物質」です。
おいしく見せるために人工の色を使い、人工の香りをつけるのです。
加工食品は食品添加物のかたまりです。この加工食品がアレルギーの原因になっていることは、十分に考えられます。

化学繊維を使った肌着

今は合成繊維を使い、安くてカッコ良い洋服がどんどん作られます。とてもありがたいことですね。
しかし、人の皮膚は「一番大きな臓器」と言われています。人工的なものが絶えず触れている状態は、人によっては皮膚に問題が発生します。
だからといって、綿の衣料だと安心というわけではありません。
材料の綿に大量の農薬が使われたり、化学薬品で洗浄したような綿であれば、合成繊維と同じように皮膚へ悪影響をもたらしかねないのです。

カビ

カビカビの問題は、特に家の中にあります。というのも、高温多湿の日本で、住宅が中途半端に欧米化してしまったことに問題があると言われています。
欧米化した住宅では、湿気を調整してくれる畳や無垢の板に代わって、ウレタンを塗った合板の床板が多く使用されています。また、湿度を調整してくれる漆喰の壁に代わって、ビニールクロスが用いられます。
これらが、家の中をカビさせるための変化のようです。

衣替えの季節に、電車の中などで「カビ臭い」と思ったことはありませんか?
この季節は本来、日本ではカビが繁殖しないもの。実は、半年ぶりに押入れやタンスから出した洋服がカビ臭いのです。
高温多湿の日本では、それを十分考えた住まいにしなければ、家の中はカビだらけになってしまいます。これもアレルギー(アトピー)の原因のひとつであるのは間違いないでしょう。

除菌

除菌最近、テレビ番組を見ていても、“除菌ブーム”に拍車がかかっていませんか?
こうした番組やCMでは「除菌、除菌」と菌を目の敵にしています。
そもそも私たちの身体には100兆個の常在菌が共存しています。それらの菌がすべていなくなったら、人間は一瞬たりとも生きていけないと言われています。
皮膚も常在菌で覆われ、外部から異物が入ることを阻止してくれているのです。

「消毒」とは、それらの菌をすべて殺してしまうことです。医学的根拠は無いものの、私はこの「除菌、除菌」という考え方が、アレルギーの一番の原因なのかもしれません。

アトピー性皮膚炎を改善するための4つの方法

ここまでご紹介してきた原因を踏まえ、アトピー性皮膚炎を改善するための、4つのポイントをお伝えします。

  • 添加物について知り、極力避ける
  • 化学繊維を使った肌着を避ける
  • カビを繁殖させないための3大ポイント
  • 除菌ブームから脱却する

添加物について知り、極力避ける

食品添加物については、今の世の中では、完全に無添加のものだけ食べるというのは、なかなか難しいでしょう。
そこで、添加物に関する知識を持ち、極力その添加物を避けるという心がけが大切です。

化学繊維を使った肌着を避ける

自然素材直接肌に触れる肌着にかんしては化学繊維を避けるべきでしょう。
自然素材としては、竹布(たけふ)お勧めです。
竹は無農薬で勝手にどんどん育つ、ありがたい植物です。抗菌力を持ち、殺菌処理などは必要ないとされています。

カビを繁殖させないための3大ポイント

カビを繁殖させないためのポイントとして、東京都福祉保健局のHPには次の3点が挙げられています。

  • 台所、浴室、洗面所、トイレなど水回りの換気をこまめにする
  • 家の中で空気が滞る場所をなくす
  • 建物の断熱を考える

台所、浴室、洗面所、トイレなど水回りの換気をこまめにする

浴室の使用後は、壁等の水分をタオルでふき取る。そして換気扇は数時間オンにする。
毎回ふき取るのは、意外と大変です。もしそれが難しい場合は、換気扇を使用後12時間くらい、回しっぱなしにするのがよいでしょう。

家の中で空気が滞る場所をなくす

家具などは壁との隙間を開ける。押入れのふとんの下にはスノコを敷く。所せましと物を置かない。
現代はとにかく物余りの時代です。必要以上に物を持たないことも重要ではないでしょうか?

建物の断熱を考える

断熱

家中の断熱工事をやれば一番ですが、それにはお金もかかります。
結露がひどい場合は窓だけでも断熱工事(内窓など)をしてはどうでしょうか?

除菌ブームから脱却する

「除菌、除菌」という、細菌を目の敵にした今の「除菌ブーム」に沿った考え方から脱却しましょう。
細菌をすべてばい菌扱いしながら、薬品を使用するのは本末転倒です。人の身体にとって、化学物質は有害物質なのです。

シャボン玉石鹸の故森田社長は、10年間何をやっても治らなかった湿疹の原因が、自分が作っている合成石鹸であることに気づいたそうです。
その後、命がけで無添加石鹸に取り組み、大変な思いをしてようやく無添加石鹸を作り上げました。

無添加石鹸合成石鹸や合成洗剤は使用せず、シャボン玉石鹸やEM(有用微生物)などを使っても、汚れの落ち具合に問題はありません。むしろ、使えば使うほど掃除などが楽になってきます。
何よりも、自分の体にとって安心です。

アトピーは女性には特に厳しい疾患です

10年近く前になりますが、私の会社に税務調査で二人の税務職員が見えた時のことです。
そのうち一人のお顔を見ると、どうもアトピー性皮膚炎で治療しているという感じでした。
アトピー性皮膚炎の治療法のひとつ、ステロイド治療を繰り返した時に出る、独特の皮膚の赤黒さが目立っていたからです。

ただ、驚いたのはその後です。立ち合って下さった女性税理士の先生が突然こう言いました。

「あなた、アレルギーなんじゃないですか? こちらで健康食品を扱っていますから、良いものを紹介していただいたらどうですか?」

この言葉を聞いて、私は心の中で「えっ! 何てことを!」と思いました。もしかしたら、先生は冗談で言ったのかもしれません。しかし、その税務署職員さんは、全く笑っていませんでした。

女性アトピー

アトピー性皮膚炎で苦しまれている方は、心的にもかなりの負担を強いられるでしょう。
男性のアトピー疾患の方も大変ですが、女性の方はさらに大変だと思います。
痒いからと言って、掻いているのも恥ずかしい。ましてや顔に発症し、そのような状態で外に出る事を考えると、女性にとってはかなりのストレスとなるに違いありません。

よくないのは、このストレスがさらに病状を悪化させるという事です。
一般的にアトピー性皮膚炎が治りにくいのは、そんな悪循環に陥りやすい病気であることが理由のひとつではないでしょうか?
そのため、アトピー性皮膚炎を発症すると、引きこもってしまう人も少なくないようです。

アトピー性皮膚炎を改善させるためには、精神面のケアも大切です。ぜひ正しい知識を身につけ、正しい対処を行ってください。

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